築20年の高気密高断熱住宅「リクシル スーパーウォール」のお客様から全館換気システムのご相談をお受けしました。
「生活臭が上手く排出されてない様だ」との事で早速調査させて頂きました。

手前の大きい四角が天井裏に入る為の点検口で、奥の四角は全館換気システムフィルターボックスです。

フィルターボックスを開けると毎年業者が有償でメンテナンス作業をしているとの事でフィルターはきれいでした。

点検口から天井裏に入ると全館換気システムの本体がありました。
製造元はイギリスVent-Axia社製で販売元は日本の会社でした。

上蓋を開けると、給気用と排気用の2つのシロッコファンがあり、ガタつきながらですが回っていました。
左側の六角形の熱交換器はホコリが目詰まりしていてほとんど機能していない様子です。

天井裏の排気用と給気用のダクトが分岐されている様子です。

トイレの中の排気口ですが、全館換気システムを強運転しても風速計で測定してもゼロでした。

ユニットバスの中の排気口(左側)も風量ゼロでした。右の浴室乾燥機の換気機能は、大丈夫でした。

キッチンのレンジフードは、同時給排型で正常に作動していました。
家中の換気設備を点検させて頂くと、全館換気システムの排気側の風量がほぼゼロでした。
点検後6つの改修プランをご提案させて頂きました。①既存の機械換気は取外しダクトを直結して居室の給気口・排気口を全て自然給気口に変更する。
②浴室内の排気口は水蒸気が上がる為、ダクトを塞ぐ
③キッチンのレンジフードを掃除のし易い同時給排式の24時間換気機能付きのものに更新する。
④トイレに24時間換気機能付き壁換気扇を新設する。
⑤2階寝室に24時間換気機能付き天井換気扇を新設する。
⑥居室の天井の既存給排気口にフィルターを取り付ける。
---------------ここからは、実際の改修工事の様子-------------------
天井裏にある全館換気システム本体の撤去作業。

2階寝室の新設24時間換気扇用の穴あけ、電源スイッチ回路の配線作業。
配線の為、天井のスーパーウォール断熱パネルを一部切断して取外しします。

切りくずを掃除機で吸わせます。

配線する為に切り取った断熱パネルを復旧して発泡ウレタンフォームを充填します。

2階寝室に新設した24時間換気扇の排気ダクトは屋外まで出さず屋外と同じ空気環境の天井裏にゴミが入らないように下向きにダクトを曲げて排気します。

2階寝室の換気扇と壁のスイッチを隠蔽配線出来た様子です。

トイレに新たに屋外に向けてφ110の穴を開けその下にスイッチを、

トイレの換気扇は解放風量が、強運転で80㎥/h・弱(24時間運転)46㎥/hです。
既存の排気ダクトをグリルにフィルターを付けて給気口をして利用しました。
風速計は、マザーツールSP-82AT測定範囲0.4~20.m/sの規格ですが、いい感じで測定できます。

こちらは、キッチンのレンジフードを取り外した状態です。

新しく取り付けるレンジフードもパナソニックの同時給排型で掃除がカンタンです。
高気密住宅では、レンジフードは同時給排型か給気口連動タイプでないと負圧になって上手く排気出来ません。

設置完了後、お客様に取扱い説明の際、風速計の数値をお見せして24時間換気運転の上手な利用方法もご説明します。
お客様には、いつも大変お世話になっております。感謝いたします。
ありがとうございました。
by、ひろし